子どもは、普段に成長していく訳ですからその成長を正しく把握しながら、親自身もともに成長したいものです。
人間が成長していくということは、とりも直さず「自我」が芽生えることであり、自分をよく見せたいと思ったり、自分の意見を通したいと思ったりすることです。
もちろん見かけ倒しだけではなく、それなりの努力も伴わなければなりませんが、子ども本人は一所懸命でも親の目からは未熟な部分もいっぱいあることでしょう。
また、肉体的な面から見ましても同様にまだ不十分ながらも、もう大人に近づいています。栄養素の片寄りをはじめ夜型生活等に伴う睡眠時刻のずれた生活や社会環境の著しい変化により、成長等に係わるホルモンのずれも生じているようです。
それに加えて、書店に並ぶ雑誌や週刊誌、映画やテレビの映像にも増して、携帯端末やインターネット等による情報の氾濫など、どれもこれも早熟を促し好奇心をあおるものばかりですから、心身に大きなアンバランスを生じているのです。
肉体的に大人になってから、結婚までの時期を学術用語で「性的失業時代」と呼ぶそうで、誠にユーモラスな言葉です。
しかし、この時期が「人間性」に磨きをかける重要な時期であることを考えますと、一個の人格としてしっかり認めてやりたいものです。
「信じられる」ということはうれしいことでもあり、同時に責任を感じることにもなるのです。特にこの時期は「独立心」が強く、語り合いや理解し合うことが親子としての生活共同体をより豊かな深みのあるものにしてくれます。
子どもたちが刻々と変化する社会環境の要因を正しく利用しつつ、社会や他人に対しての自分の責任をどう方向づけるのかを真剣に見定める親であり、よき理解者となりたいものです。