人間形成の各時期には、しっかりと身につけておかなければならない課題があります。
例えば、乳児期には人や身の周りに対する信頼性。幼児期には他を頼りにばかりするのではない自立性。少年期にはさまざまなことに挑戦してみようと思う活動性や自発性。そして、青年期にはしっかりと自分を振り返ることができる自己の確立と他への尊重の心といった具合でしょう。
ここに挙げた各時期の境は、何歳から何歳までと杓子定規で測った用には分けられませんし、降りたり上がったりしながら徐々に折れ線グラフのように成長していくことでしょう。そういう意味では、1年生が2年生に進級したからといっても日々の延長にすぎないのです。
一方、一学年違うだけで劇的な成長を見ることもあります。自分より年下ができることを意識することによって、指導力や誘導力に目覚め、協調性を発揮するのです。
しかし、このことは、各成長時期の信頼・自立・自発・自己の確立の上で成り立つことです。しっかりと身についていないと、弱者をいじめたり協調性もねじ曲げられてりする仲間意識となり、よからぬ集団を作ってしまいます。
子どもは遊びや生活や社会の中で様々な体験をしながら成長します。テレビやインターネットの世界も社会の一部です。
適切な社会環境とは、どんな環境でそれをどう提供しているのかが親に問われています。
子どもは、子ども自身の世界を精一杯に生きています。
知識だけでなく、身体や情緒などが全体的にバランスよく調和された形で一歩一歩、急がずに進んでいくことが望まれます。