幼児期には、空想的な世界に入って空想と現実の境目がはっきりしなくなり、遊びとしてうそをつく場合がありますが、小学校低学年頃からつくうそは、それぞれちゃんとした意味があります。
しかし、度々うそをつかれると親としては不安になり、厳しく問い詰めたくもなります。そうすると、さらにうそを重ねることにもなりかねません。
小学校低学年から中学年にかけては、強く叱られたり、怖い罰からただ逃れたりしようとしてうそをつくことが出てくる段階です。自分を守るためにつくうそがよく出てきます。
また、人の注意を自分の方へ引きつけたい同情を得たいという気持ちが強く働く場合に、意識的にまたは無意識的にうそをつくことが多くなります。親に対してもっと自分をかまってほしいと思っている子どもは、親に心配をさせるようなうそをくり返しつくことがあります。
なぜうそをついたのか頭ごなしに叱らずに、言い訳をちゃんと聞いてあげることが大切です。子どものペースでじっくりと話を聞いてあげると、子どもは受け入れてもらえたと感じ、自分から反省することにつながります。
親が子どもに対してとても厳しく、約束事で縛っていたり、本人の能力から見て過度な期待をしたりすると、子どもは自分を守るためにうそをつかないといけなくなります。このような場合には、もっと子どもの意見を聞き、意志を尊重してあげることが必要です。
また、うそをよくつく子どもは、自分の欲求が満たされていないことが多いようです。どんな場合でも子どもなりの理由があるはずです。じっくりと話を聞いた上で、「うそをつくのは悪いこと、うそをつかれると悲しい」と自分の気持ちをお子さんに伝えて話をすることが大切です。
どうしても改善されないようでしたら、相談機関でのカウンセリングをお勧めします。