「中1ギャップ」という言葉がメディアでも最近取り上げられていますが、実は「高1ギャップ」という言葉も存在します。高校に入学すると,今度は進学や就職,さまざまな資格取得に向けての勉強を始めていかなくてはなりません。ところが、自分でどうやって勉強していけばいいかが分からず、次第にやる気を失ってドロップアウトしてしまうケースがあります。高校を受験するための学習を塾に依存していたり、自分自身の学習スタイルが身に付いていなかったりする生徒に起こりがちなケースです。
「高1ギャップ」に陥らないためには、どのような心掛けが大切か一緒に考えてみましよう。
高校入学当初は中学から高校への学習サイクルの転換が課題です。高校の授業は中学校と比べると、①進度が速い。②内容が難しい。③テストが多い、などの違いがあります。これらを乗りこえていくためには家庭における学習習慣を定着させることが大切です。高校では、予習・復習をしないと授業についていけないことや主体的に勉強することの重要性を理解させていきたいものです。
また、近年の調査では、学習する際,分からないことにぶつかった時「自分の力で考え続けてみる」という生徒の割合は減少し、「すぐに答えや説明を見て解決する」という生徒の割合が増加しています。これは、さきほど述べた予習とも関係があります。自分で課題を見つけて学習するためには、粘り強く学習に取り組むスタイルを身に付けていく必要があります。
最後に、子どもに対する親の接し方として、「このままでは大学入試で苦労するぞ」などと危機感をあおって言葉かけをすることがよくありますが、生徒の状態によっては、逆効果になりかねません。不安な中にあって自分なりに精一杯やっていることに対しては、褒めて元気づけることを基本に接してほしいものです。これから始まる高校生活への恐れよりも期待感を大きくしてあげることが大切ではないかと思います。