鹿児島県PTA連合会副会長 久保 和明
本年度の全国大会は「『有徳(ゆうとく)の人』づくり」をすすめている静岡県で開催されました。
日本は大きな変革の時代を迎える中で、経済格差の拡大、情報モラルの低下などの課題を抱えている。このような時代に求められるのは、地域の、日本の未来のために行動する「徳」を備えた人材ではないか。そんな「有徳の人」を育てるために、子どもたちが高い志をもって学び、未来を切りひらく力を養うことができる環境を整えていくことが、私たちPTAの使命であり、また社会の責務であるという考えや思いから、メインテーマを「『有徳(ゆうとく)の人』づくり」、サブテーマを「未来のために行動する『人』を育てよう」とし、開催されました。
初日の夜は、鹿児島県の情報交換会が開催されました。参加された皆さんが、それぞれの現状や思いを語り合い、互いに親睦を深め合っていました。
各所属単位PTAの紹介の場もあり、たいへん盛り上がりました。
基調講演はNHK大河ドラマの時代考証を担当されてこられた 小和田哲男 静岡大学名誉教授が「戦国時代に学ぶ子育てと人づくり」というテーマで講演されました。
戦国時代では武辺咄(ぶへんばなし)というものが行われており、自分の成功したことや失敗したことなどの経験談を子どもや孫や後輩に話し、伝えることで、子育てと人づくりをしていたということです。遺言で文章に残した武将もいたそうです。「一度、大敗北した者でなければ名将にはなれない」という言葉が印象的でした。
分科会は全国P連研究発表「ネットトラブルの予防と対策」に参加いたしました。教育・医療ICTグループ 齋藤 長行 研究主査の基調講演のあと、パネルディスカッションでの発表でした。
ネットの利用については自分で振り返る時間をつくることが大切。「どうして○時にやめられないの」の声かけより、「どのようにしたら○時にやめられるかな」という自律を促す語りかけの重要性を話されました。人間の行動の95パーセントが無意識の行動だそうです。高校生パネラーの「わかっちゃいるけど、やめさせてくれない」という意見が印象的で、ネットの世界は依存性が高いと再認識させられる発表でした。
記念講演の講師は俳優の 筧 利夫さんで、子どもの頃からの話を楽しくトークショー形式で進行されました。高校の頃は「ふれてほしくない不思議な時期」だったそうです。高校の時に俳優になりたいと思い、夢みたいなことだからこそ、道順をたてて取り組んだということでした。「撮影現場で、して欲しいことは自分から行動すると、自然と周囲の人たちが同じ行動をしてくださいます。」という話が印象的でした。
実行委員長の、たくさんの方に「(大会の準備が)大変でしょう。」と声を掛けていただいたが、「自分が大きく変えていただきました。」という素晴らしいあいさつがあり、静岡大会は閉会いたしました。