鹿児島県PTA連合会副会長 野村 広志
8月24日(木)・25日(金) ゛有徳の人゛づくり ~未来のために行動する「一人」を育てよう~ をテーマに「独立して頂き高く美しくそびえ、社会の中に豊かなすそ野を広げていく『富士山』のような人」をイメージとした趣旨に乗っ取った大会が、静岡県にて盛大に開催されました。
゛有徳の人゛とは、個人として自立した人、人との関わり合いを大切にする人、より良い社会づくりに参画し、行動をする人を意味しており、今まさに求められている人材であるとともに、近年失われつつある人材であると言えます。いま日本は、少子高齢化、経済のグローバル化、情報社会の進展など、大きな変革の時代を迎えています。同時にフリーターやニートの増加、地域産業の空洞化、経済格差の拡大、情報モラルの低下など様々な課題を抱えています。このような時代だからこそ「徳」を備えた人材が、求められていると言えます。
今回の大会は静岡県内にて、開会式・基調講演の後、4つの分科会と全体研究発表、それと2つの特別分科会に分かれて事例発表・基調講演と研究討議・パネルディスカッションがなされました。私の参加した特別第一分科会では、「有徳の人」防災・減災教育の推進 ~防災・減災能力の醸成~ と題して基調講演とパネルディスカッションが行われました。
基調講演では、静岡大学防災総合センター長の石田教授から「減災から防災社会へ」と題して子どもたちがどのように防災社会の中で関わっていけるのかお話があり、地域防災の役割を担える人材の育成は急務であるとともに、子どもたちにも防災力を身につけさせる防災教育の在り方についても提言を促されました。また、どれだけ他人事を自分事として考えられ捉えられるかが重要であり、地域コミュニティーでの、子どもたちの役割を明確にしておくことの必要性を述べられました。
その後、パネルディスカッションが行われました。地元のパネリスト6名で、「いつ発生してもおかしくない」と言われる東海地震説も、約40年の歳月が流れ、防災意識の希薄化が懸念されている中、学校及び地域社会また広域行政区域の危機管理連携体制の充実を図る必要性についてや、子どもたちが地域防災リーダーとなり地震・津波の発生のメカニズムや防災・減災に関する知識や技能を、総合的に獲得できる学習訓練(防災教育)の必要性について、活発に議論が交わされた。そこで、災害時において子どもたちが自らの判断で主体的に行動できる人材の育成が必要とされ、地域社会の中で子どもたちが自ら果たすべき役割について、更に啓発していく大切さについての結論付けがなされました。