8月20日(木),21日(金)に岩手県で開催された第65回全国高等学校PTA連合会大会岩手大会に参加しました。
1日目の午前中は開会式。午後からは7つの分科会で事例発表や意見交換が行われ,私は特別第1分科会「情報化社会と教育」に参加しました。
基調講演で,弘前大学の大谷良光前教授が,2014年には高校生の所持率が95.1%となったスマートフォン使用について提議されました。
初めに,SNS(LINE等)のコミュニケーショントラブルとネットいじめとの問題にふれ,トーク上での書き込み内容の不快感,グループの会話に入れない,自分抜きのグループが作られた(「外された」「強制退会」),トーク内でメンバーの悪口の事例があげられました。 続いて,SNS等の過剰利用が脳に及ぼす悪影響(思考力を奪う認知障害デジタル・デメンチア)について警告され,問題解決には子どもの自覚や自主的な取組と教師やPTAの支援が大切であるとして,事例を挙げながら説明されました。
その後,7人のパネリストによる意見発表がありました。印象に残った発表は次のとおりです。
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ネットで知り合った人と直接会うことに抵抗のない人が増えている。顔を隠したままのコミュニケーションの危険性を見直す必要がある。(高2女子)
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ネット上の失言は消すことができない。女子生徒が発した一言でいじめが始まった例もある。回避するためには情報モラルを学習し,自ら考え行動することで意識を向上していかなければならない。(高2女子)
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ネット上で何をしているのか分からない。「ながらスマホ」もよく見る。パスワードも親が知っていたい。高校生の間は何かあれば親が責任をとらなければならないという自覚をもって,持たせてほしい。(PTA副会長・母親)
その他,ネットで知り合い実際に会ったことのある人は、全体の12%に及ぶという報告 や,ライントークのいじめには,①被害者をはずした別なグループが作られ誹謗中傷されるいじめ,②強制退会させられるいじめ(排除のいじめ),③リアルな攻撃が怖くてグループからも抜けられないいじめ(飼育のいじめ)のタイプがある,との報告もありました。
また,ネットの問題点を踏まえ,実際に電子機器を操作してネットモラルを学ぶ場を提供した事例や,3・4月に新入生と保護者に対する生徒会とPTAによる啓発活動の実施例,またリーフレットの作成,学級やグループ内でのルールの作成例など生徒の主体的な活動を育成することにより成果を上げている事例も紹介されました。
全国から9,500人の会員が集い,運営もスムーズに行われ,得ることの多い大会となりました。
(副会長 是枝みゆき)